本瑠璃(ラピスラズリ抽出顔料 水彩絵具)
Lapis Lazuli
◆ 全1色
※単色およびセット内単色は、紙製スリーブで保護した形でのお届けとなります。
ホルベイン水彩絵具 「本瑠璃(ほんるり)」
(ラピスラズリ抽出顔料水彩絵具) 4.2g 白磁絵具器入り、限定200個
※商品にはシリアル No. が付きます。
本瑠璃(ほんるり)とは
絵具として用いられる「ウルトラマリン」は、現在では18世紀に発明された人工ウルトラマリン顔料を原材料としていますが、ご承知のようにそれ以前の時代には、天然鉱石「ラピスラズリ」から抽出された顔料を用いた絵具として広く使用され、フェルメールの「青いターバンの少女」の青色としても有名です。
現在では、高価な貴重品として殆ど流通していない「ラピスラズリ」顔料を、東京藝術大学油画技法材料研究室による水簸(すいひ)をベースとした新しい抽出方法により、過去に例をみない高純度で、高彩度な品質の顔料化に成功いたしました。
本瑠璃(ラピスラズリについて)
古代からのラピスラズリに対する信仰と魅力は、洋の東西をとわず宗教に結びつく例が多く、ラピスラズリそのものを最高位に位置づけ、神的世界観や浄土観の象徴として捉えられている。古代から珍重されてきた半貴石のラピス・ラズリは、宝石類である為に装飾用材料として著名なものであった。古王朝のエジプトでは黄金のマスクに代表されるように多数の用例が認められている。また同時代において、あまりにも高価なラピスラズリの代替品として青ガラスが開発された経緯が知られている。
シルクロードを通じ西方に伝わったアフガニスタン、バダフシャン地方に産するラピスラズリは、顔料製法において樹脂加工されることにより、原料の持つ特性である透明性を最大限に引き出した青色顔料に生まれ変わる。
この顔料には、「万里の波涛を越える」意味の「ウルトラマリン」の名が与えられ、その青はキリスト教世界において聖母マリアのマントと天空にだけ使用が許される「聖青」となる。ラピス・ラズリは、原石が美しい青色を呈していても、結晶体でないため、粉砕すると灰色を帯びた濁った青色になる。顔料は、原石を粉砕し、精製することで生産された。
シルクロードを通じ西方に伝わったアフガニスタン、バダフシャン地方に産するラピスラズリは、顔料製法において樹脂加工されることにより、原料の持つ特性である透明性を最大限に引き出した青色顔料に生まれ変わる。
この顔料には、「万里の波涛を越える」意味の「ウルトラマリン」の名が与えられ、その青はキリスト教世界において聖母マリアのマントと天空にだけ使用が許される「聖青」となる。ラピス・ラズリは、原石が美しい青色を呈していても、結晶体でないため、粉砕すると灰色を帯びた濁った青色になる。顔料は、原石を粉砕し、精製することで生産された。
しかし、高純度の青色は、原石から五〜十%ほどしか抽出できない。そのため価格は金を越えるものであった。歴史の変遷の中で、18世紀の産業革命を契機にした人工ウルトラマリンの発明と製造技術の発展により、ラピス・ラズリから精製する天然ウルトラマリンは美術史上から姿を消し、現在では、幻の顔料になっている。
東方においてラピスラズリは「瑠璃」と称され、仏教における須弥山を取り巻く浄瑠璃光世界として浄土を象徴している。東アジア世界においてラピス・ラズリが使用された最古の例として6〜7世紀のバーミヤーンやキジルの壁画に使用が確認できるが、顔料としてのラピス・ラズリの使用は、この時代以後、極東アジアでは殆どない。
日本においては、正倉院に納められている聖武天皇の「紺玉帯」にみられるように、装身具に象嵌された使用例はあるものの、色材としてラピスラズリが絵画作品に使用された例は確認されていない。ラピスラズリは瑠璃という、色のイメージや言葉として日本に伝わってはいるものの、色材として未だ我が国に伝来していないといえる。
東方においてラピスラズリは「瑠璃」と称され、仏教における須弥山を取り巻く浄瑠璃光世界として浄土を象徴している。東アジア世界においてラピス・ラズリが使用された最古の例として6〜7世紀のバーミヤーンやキジルの壁画に使用が確認できるが、顔料としてのラピス・ラズリの使用は、この時代以後、極東アジアでは殆どない。
日本においては、正倉院に納められている聖武天皇の「紺玉帯」にみられるように、装身具に象嵌された使用例はあるものの、色材としてラピスラズリが絵画作品に使用された例は確認されていない。ラピスラズリは瑠璃という、色のイメージや言葉として日本に伝わってはいるものの、色材として未だ我が国に伝来していないといえる。